ウクライナがロシア・サンクトペテルブルクを攻撃、経済フォーラム開幕のなか

歴史的な建物やロシア正教会の教会のドームが並ぶ街並みの向こうの空から黒煙が立ち上っている

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画像説明, サンクトペテルブルク中心部から、石油ターミナルで立ち上る黒い煙が見えた(3日)
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ウクライナは3日、ロシア第2の都市サンクトペテルブルク郊外を攻撃した。同市ではこの日、外国投資誘致を目的とした経済フォーラムが開幕した。ウラジーミル・プーチン大統領は5日にこのフォーラムで演説する予定。

サンクトペテルブル当局は、防空部隊が夜間にドローン59機を撃墜したと発表した。また、同市の3地区が被害を受けたが、死者は出ていないとした。

ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアはこれらの攻撃に対応すると述べ、「我々の対応は組織的な性質のものになる」とした。

携帯電話のインターネット回線は混乱し、サンクトペテルブルクのプルコヴォ空港は一時閉鎖された。また、隣国のラトヴィアとエストニアの一部地域でも空襲警報が発令された。

攻撃から数時間後、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、同国のドローンがロシアの複数の地点を攻撃したと認めた。標的には、サンクトペテルブルク近郊のクロンシュタットにある石油ターミナルや海軍基地が含まれるとした。

ゼレンスキー氏はソーシャルメディアに、「ウクライナの長距離制裁の計画は、和平をより近づけるために必要なもので、そのために正確に実行されている」と書き込み、ロシアへの長距離攻撃を遠回しに表現した。

動画説明, サンクトペテルブルク近郊の石油施設が攻撃された

クロンシュタットは、ロシア海軍バルチック艦隊の主要拠点。ウクライナ軍関係者がソーシャルメディアに投稿した未検証の動画には、停泊中の軍艦に向かうドローンが映っている。映像は衝突前に途切れている。

ウクライナの無人システム部隊のロベルト・ブロウディ司令官は、メッセージアプリ「テレグラム」で、ステレグシチー級「ボイキー」が攻撃を受けたと述べた。

経済フォーラムには米代表団も参加

かつては「ロシアのダヴォス会議」とも呼ばれたサンクトペテルブルク経済フォーラムは、ロシアの政治日程における主要行事だ。

ロシアが2022年にウクライナへの全面侵攻を開始するまでは、このフォーラムには、企業トップや国家元首を含む、著名な欧米の代表団が出席していた。

130カ国から数千人が出席する見込みで、その中には目立たない形のアメリカ代表団も含まれる。

アメリカの参加は約10年ぶりで、ホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領のボールルーム(大宴会場)計画を主導している、アメリカ美術委員会のロドニー・ミムズ・クック・ジュニア委員長が代表団を率いている。

また、アメリカの右派コメンテーターであるキャンディス・オーウェンズ氏や、プーチン大統領を支持する俳優スティーヴン・セガール氏も参加している。

ウクライナの防衛企業ファイア・ポイントのデニス・シュティリエルマン氏はXに、「このような著名ゲストと、このイベント自体の重要性を前に、我々はこれを無視することができなかった――そして緊急に飛んで行った」と、皮肉を込めた投稿を行った。

この投稿には、空を横切るドローンや、海岸沿いの未特定の場所から立ち上る黒い濃煙の動画が添えられていた。

ロシアによる侵攻開始から4年の間に、ウクライナは防衛産業を急速に発展させてきた。ウクライナは現在、ロシア国内の標的を定期的に攻撃できるようになっており、主にロシアの戦争遂行能力を支えていると見なすエネルギーインフラや石油施設を狙っている。

占領下のドネツクでバス攻撃、ロシアはテロと非難

攻撃を受けたバスを横から写した写真。白い車両の上半分は完全に破壊され、焼け焦げている

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画像説明, ロシアの国営メディアは、バスへの攻撃により少なくとも8人が殺されたと報じた(3日、ウクライナ東部ドネツク州)

ロシア当局は3日、ロシアが支配するウクライナ東部ドネツク州で、走行中のバスにドローンが直撃し、乗客ら8人が殺され、10人が負傷したと発表した。

ロシアが任命した同州トップのデニス・プシーリン氏は、このバスは同日未明、モスクワ近郊の都市とロシアが併合したクリミアのシンフェロポリの間を走行中に攻撃を受けたと説明した。

ロシアは、この攻撃はウクライナのドローンによるものだと主張している。BBCがウクライナ側にこの攻撃への関与を尋ねたところ、ウクライナ参謀本部は肯定も否定もせず、「侵略国家による発表についてはコメントしない」と述べた。

一方、ドネツク州の都市でウクライナが維持しているクラマトルスクでは、ロシア軍による砲撃で3人が殺され、1人が負傷したと、地元当局者のワディム・フィラシュキン氏が述べた。

ロシアはウクライナの都市への攻撃を続けており、民間人の犠牲が増え続けている。1日の夜だけでも、ウクライナ各地でのミサイルとドローンによる複合攻撃により、少なくとも22人が殺された

ウクライナでロシア軍が占領している地域を示した図。東部から東南部にかけてロシア軍が占領している。2014年にロシアが一方的に併合したクリミアも含まれている。出典は米戦争研究所とアメリカン・エンタープライズ研究所の「重大脅威プロジェクト」(日本時間5月29日午前6時時点)

ロシアの調査当局は、民間人に対する「テロ攻撃」について、ドネツク州で刑事事件として立件したと発表した。ロシア連邦捜査委員会のスヴェトラーナ・ペトレンコ報道官は、当局が攻撃の責任者の特定に向けて作業を進めていると述べた。

国営メディアによると、このバスには53人が乗車登録されていたが、犠牲者の身元はまだ公表されていない。

ウクライナ政府の偽情報対策センターのアンドリー・コワレンコ氏は、攻撃の発生については明確には否定しないまま、ロシアの国営プロパガンダが作り出した「パラレル・リアリティー(並行現実)」に言及した。

コワレンコ氏はBBCに対し、「ロシアは常にドローンで民間人を攻撃している。(中略)ロシアがそうした行為をした証拠があり、皆がそれについて語っている時でも、ロシアは並行現実の創出という、自分たちの主要なプロパガンダ手法を使う」と述べ、次のように続けた。

「自国の民間人への攻撃が続く中で、ロシアはあたかも、ウクライナがロシアと同じように行動しているかのような物語を作り出す。これは自らのテロ行為を、我々の行動への対応として正当化するために行われている」