ギリシャ、15歳未満のSNS利用を禁止へ EU全体での規制も要請

長い黒髪の子どもが両手でスマートフォンを操作している様子を下から撮った写真。子どもの顔は上半分が隠れている。子どもは白いTシャツを着て、カラフルなビーズのブレスレットを身につけている。背景には木のような緑がぼやけて写っている。

画像提供, Hollie Adams / Reuters

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ギリシャは8日、15歳未満の若者によるソーシャルメディアへのアクセスを禁止する計画を発表した。欧州各国ではこのところ、子どもがオンラインプラットフォームに接する機会を制限する動きが続いている。

ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は、この措置の目的について、若者の間での不安感や睡眠障害の増加、およびソーシャルメディアの「依存性の高い設計」に対応することだと説明した。

この規制は来年1月から施行される予定。

ソーシャルメディアをめぐっては、オーストラリアが昨年12月、世界で初めてTikTokやユーチューブ、スナップチャットといった大手SNSに対し、16歳未満が保有するアカウントを削除するよう義務付けた。違反した企業には高額の罰金が科せられるが、ユーザーには罰則はない。

現在、フランスやオーストリア、スペインも、同様の規制を進めている。

イギリスでも、16歳未満を対象とする禁止措置を導入すべきか政府が協議を開始している。アイルランドとデンマークも同様の対応を検討している。

ソーシャルメディア企業は、一律の禁止措置は効果が乏しく、施行が困難なうえ、支援を必要とする10代の若者を孤立させかねないと主張している。掲示板サイト「レディット」は、オーストラリアの規制法をめぐり、裁判で争っている。

動画説明, 豪州の16歳未満に対するSNS禁止措置、効果は? 施行から3カ月で生徒に聞く

ギリシャのミツォタキス首相は8日、TikTokに動画メッセージを投稿し、「多くの若者が、比較やコメント、そして常にオンラインでいなければならないという圧力によって、疲弊していると私に語っている」と述べた。

また、親たちからも、子どもがよく眠れず、不安を抱え、いつも携帯電話を手にしていると聞いたと語った。

そのうえで、計画されている規制は「困難だが必要だ」としたうえで、政府の目標は、「着想や知識、創造性の源ともなり得る」技術から若者を遠ざけることではないと説明。

「だが、特定のアプリにおける中毒性のある設計と、皆さんの注意をひきつけ、どれだけ長く画面の前にとどまるかに基づくビジネスモデルは、皆さんの純粋さと自由を奪う。これはどこかで止めなければならない」とした。

ミツォタキス氏はまた、ギリシャとして欧州連合(EU)レベルでの対応を求めていく考えも示した。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長宛ての書簡でミツォタキス氏は、未成年保護のために「必要な各国の取り組みを補完し、強化する」EU共通の枠組みを構築するよう求めた。

ギリシャの提案には、15歳未満のユーザーに対する年齢確認、この年齢層を対象とした欧州全域での禁止措置、そして6カ月ごとの年齢再確認などを、すべてのプラットフォームに義務づけることが含まれている。

アメリカで企業の責任認める判決も

ソーシャルメディアがメンタルヘルス(こころの健康)に悪影響を及ぼし得ることを示す証拠が増えていることを背景に、子どものSNS利用をめぐる議論は、この数カ月で激しさを増している。

アメリカでは、子どもの頃にSNS依存に陥ったという20歳の女性が、運営会社に損害賠償を求めて裁判を起こし、3月にフェイスブックやインスタグラムを運営する米メタと、ユーチューブの親会社である米グーグルの責任を認める判断が示された。

裁判で陪審員らは、両社が原告女性のメンタルヘルスに害を与えるような、依存性の高いプラットフォームを意図的に構築したと結論付けた。

メタとグーグルはそれぞれ、この評決を不服として上訴するとしている。メタは判決後、「10代のメンタルヘルスは極めて複雑で、一つのアプリに起因しているとすることはできない」とコメントした。